施設紹介 vol.1 柳原病院 地域包括ケア病棟

 2021.09.10 柳原病院 地域包括ケア病棟

コロナ禍でのパタカラ体操・職種間協働
柳原病院 伊藤直美氏

当院は、45 床の急性期病棟、45 床の地域包括ケア病棟、在宅診療部、外来・健診部門からなる地域医療を担う病院です。地域包括ケア病棟の入院患者は後期高齢者が大半を占め、誤嚥予防や生活のリズムを整える援助が欠かせません。
入院生活中のメリハリ・他者交流や気分転換の場があることは、認知機能低 下を予防する意味でも有意義であると考えています。令和 2 年来、看護師とケアワーカーで協働し、嚥下訓練のための口の体操であるパタカラ体操を行っています。

 

コロナ禍での工夫
パタカラ体操は、毎日昼食前の 10 分間、談話室に患者を集めてケアワーカー主体で行っています。看護師も 1 名参加し、酸素投与中の患者や麻痺がある患者の見守りを行います。
・患者同士の密を避けるため、人数制限(談話室に集まるのは 10 人まで)
・配置は全員が前を向くスタイル
・体操の前に、手指消毒を実施(手指消毒剤を一人ひとりの手にプッシュし、 手を洗える人には洗ってもらう)
・前に立つケアワーカーはフェイスシールドを装着


[ケアワーカー手作りのパタカラ体操の手順]

 

パタカラ体操で得られた職種間協働による効果
お互いの専門性から、ケアワーカーは体操内容の考案と実施、看護師は患者 の安全面の確保を行い、任せる部分と協働する部分を明確にしました。パタカ ラ体操を通してケアワーカーの意識が高まり、患者の個別性を捉える力が向上 しました。実際にケアワーカーから看護師へ患者ケアについて提案がなされる ようになり、チーム力が高まりました。職種間の風通しも良くなっています。


[ケアワーカー主体で行うパタカラ体操、看護師は点滴や酸素を確認しながら参加します]

 

今後の展望
コロナ禍において、発声を伴うパタカラ体操を実施していくには充分な感染 予防対策が求められます。今後も感染予防に留意しながら、内容をさらに発展 させていきたいと考えています。また、今後は看護師とケアワーカーのカンファレンスを取り入れ、より一層、協働意識を高めていけるよう取り組んでいきたいと思います。


[コロナ禍ではパタカラ体操終了後そのまま全員前を向いて食事を摂っています]

 

本取り組みを含めた活動が、公益社団法人日本看護協会主催の「看護業務の効率化先進事例アワード2020」において奨励賞を受賞しました。

 


【病院概要】


医療法人財団健和会 柳原病院
〒120-0023 東京都足立区千住曙町35-1 TEL. 03-3882-1928
病床数 90 床


 

東部地区支部 広報委員
河又恵子 矢内涼子