第34回看護研究実践報告会開催

日時 令和7年11月15日(土)14時~16時30分
会場 公益社団法人東京都看護協会 301研修室
講評 静岡県立大学看護学部基礎看護領域 准教授 松田順 先生

 

2025年11月15日(土)、第34回東部地区支部看護研究実践報告会を開催しました。
今年度は、実践報告や看護研究に加え、看護補助者による発表や地域包括支援センターの保健師による報告も含めた9題の演題が揃い、東部地区支部における交流を発展させ、学びを一層深める貴重な機会となりました。いずれの発表も臨床実践に基づく内容であり、今後、地域に提供する看護の質向上に寄与するものと思います。

実践報告会の様子

 

〈看護補助者による先進的な取り組み〉

森山記念病院の看護補助者 山崎氏からは、「排尿自立に向けた看護補助者の取り組み」についてご発表いただきました。看護補助者が主体的にケアを提供し、その評価まで実施している点が特に優れており、多職種連携やタスク・シフト/シェアの推進における理想的な実践として紹介されました。地域で共有すべき先進的な取り組みとして、大きな学びとなりました。

 

〈地域包括支援センターの活動報告〉

足立区にある地域包括支援センターはなはたの保健師 内田氏からは、地域包括支援センターにおける活動と取り組みをご報告いただきました。2040年を見据えた地域包括ケアシステムの構築・運用において、病院看護師と地域で活動する看護職との連携の重要性を再認識する内容であり、本支部の今後の活動方針においても重要な示唆が得られました。特に「顔の見える関係性の構築」から始めることの必要性を改めて確認しました。

 

〈講評と総評〉

各演題に対し、静岡県立大学看護学部准教授 松田順先生より丁寧で的確な講評をいただきました。総評では、臨床における看護研究の重要性や、東部地区支部の取り組みへの高い評価が述べられました。さらに、この取り組みが他の地区や全国へと広がっていくことへの期待と、学びを継続する意義について力強いメッセージをいただきました。

 

〈次年度に向けて〉

本報告会は、担当役員・委員が自施設での業務と並行しながら、半年以上にわたり準備を進めて開催に至りました。皆様からいただいたアンケートを踏まえ、来年度はより多くの方が参加しやすいよう、ハイブリッド開催も検討しています。地域の看護を共有し、学び合う場として、今後も継続的に開催してまいります。

担当者挨拶

東部地区支部看護研究担当役員 齋川圭子(東部地域病院)

 


演題

Ⅰ 看護研究・看護実践報告

1.透析室におけるフットケアの見直し
   社会医療法人社団森山医会森山記念病院 透析室 看護師 益子尚子

2.排泄自立に向けた看護補助者の取り組み
  ~高次機能障害による認知機能低下がある患者へのかかわり~
   社会医療法人社団森山医会森山脳神経センター病院 4階病棟 看護補助 山崎茅夏

3.退院支援における患者・家族の意思表出を促す中堅看護師の実践知
   東京都立病院機構東部地域病院 古宮律子、石川美香

4.病院の医療安全推進組織の機能を高めるための要点に影響する要因
  ―医療安全管理者へのインタビューから―
    日本福祉大学大学院 福祉社会開発研究科 国際社会開発専攻博士課程 藤川理恵
    博慈会記念総合病院 針ヶ谷雅子

5.手指消毒剤使用量に影響を及ぼしている要因について
  ―リンクナースへのアンケート調査―
   博慈会記念総合病院 看護部 小池さゆり、関山昭子

6.地域包括支援センター看護職と病院、訪問看護ステーションの看護職の連携について
   地域包括支援センターはなはた  内田勝信、藤本千紘
   うめかわ高齢者支援総合センター 村上明美

7.集中治療室看護師が行う身体抑制解除に向けた調整
   医療法人伯鳳会東京曳舟病院 ICU病棟 磯野真理子

Ⅱ 私たちの看護を語る

8.10歳代脳出血患者への関わりを振り返って
   社会医療法人社団 正志会平成立石病院 脳神経外科病棟 上地綾香、岩見沙樹、上出朋佳

9.血管性認知症患者への食事支援
   医療法人伯鳳会東京曳舟病院 5B病棟 看護師 塚田樹璃

 

演題PDF

 


過去の開催実績