離職防止研修 開催
2023年9月3日(日)離職防止研修を開催しました。
医療業界では、慢性的に看護職の人材不足が続いています。看護管理者にとって、解決すべき重要な問題の一つではないでしょうか。
看護職の最近の離職状況については、公益社団法人日本看護協会の2022年度「病院看護実態調査」によると、看護職員の離職率が増加し、正規雇用看護職員 11.6%(対前年比 1.0 ポイント増)、新卒採用者 10.3%(同 2.0 ポイント増)、既卒採用者 16.8%(同 1.9 ポイント増)となっています。
離職率増加の背景には新型コロナウイルス感染症の影響が一定程度あったと考えられ、2021年度の早退職者が増加したと回答した病院は約 35%で昨年度調査よりも増加し、そのうちの約38%に新型コロナが影響していたということです。
看護職員の離職防止の取り組みは、病院や施設にとって非常に重要です。職員が離職を選ぶ理由はさまざまで、対応が難しいケースも少なくありません。どのような対策が効果的なのかと悩んでいる管理者も多いでしょう。
この研修では、基調講演に國眼眞理子 東北公益文科大学名誉教授が登壇、「離職の動向・要因・看護職の離職防止のために」というテーマで、若年層の離職の現状や退職理由、新人ナースを取り巻く現状等について、お話いただきました。
[國眼眞理子名誉教授]
現場からの報告として、医療法人社団福寿会本部 藤野恭子看護部長に、「看護職の離職をどのように食い止めたか」について、離職が続く現場で起きていること、離職防止のポイントなどの具体的なお話をいただきました。
[藤野恭子看護部長]
講義後、意見交換のグループワークを実施、各グループで現場での離職の状況、退職希望者への対応、職場の問題等について活発な意見交換が行われていました。
基調講演、現場からの報告、グループワークにより、課題を解決するヒントを得られた時間となった様子が見て取れました。
看護職の離職は、看護現場にとって普遍的な課題であることから、今後も継続的な取り組みが必要です。今回の研修会のまとめ及び事例集として、本年度中に「看護職の離職防止・定着促進を図るための事例集・まとめ集」(仮題)を作成する予定です。
会員のみなさまは会員特典としてこの報告書を閲覧可能となる予定です。看護管理者、人事担当者の方等、看護職の離職・退職に困っているみなさま、ご期待ください。