令和4年度 医療安全管理者養成研修
医療安全管理者養成研修は、「組織的な医療安全管理体制を確立するために必要な基本的知識・方法について学習し、自施設における医療安全管理者として活動できる人材を育成する」ことを目的に、平成19年度より開催しています。
本年度は、6月20日~7月6日までの平日コースと、7月15日~8月6日までの週末コースの2回、各7日間(42時間)のプログラムで開催されました。
開催日程:平日コース 6月20日~7月6日
週末コース 7月15日~8月6日
研修時間:42時間
【主な内容】
・医療安全の動向と基本的知識
・医療事故発生のメカニズムとヒューマンエラー
・医療事故発生時の対応
・事例分析手法(RCA)
・医療安全とコミュニケーション
・医療安全への取り組み(アクションプラン作成)
[最終日に作成するアクショプラン&研修冊子]
[事例分析手法RCA(Root Cause Analysis)演習風景]
講師からのコメント 医療安全への取り組み(講義・演習担当)
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院
医療安全統括調整職/看護師長
土師 菜緒子さん
研修最終日の「医療安全への取り組み」の講義では、医療安全においてもPDCAサイクルが重要であり、多職種連携や患者参画の視点を取り入れて活動していくことをお伝えさせていただきました。
演習では、受講生の所属する部署での医療安全上の課題をあげ、医療安全活動を実践するためのアクションプランを作成しました。グループワークでは、受講生同士が学んだ知識を活かし、積極的に助言しあう姿勢が見られました。
6か月後には、演習で作成したアクションプランについて、実践報告を行うフォローアップ研修が開催されます。これが本研修会のユニークなところです。共に学んだ仲間にまた笑顔で会えることを願っています。
受講生コメント
昭和大学病院
看護師長
髙橋 多香子さん
自部署の安全管理者としての役割を担うために、「医療安全の知識を得ること」、「重大な医療事故発生を未然に防ぐための対策を考えること」を目的に参加しました。受講前は、こんなに楽しく学べる研修とは想像していませんでした。
グループワークが多く、他院の受講生とのディスカッションは貴重な学びとなりました。講義でのワークを通じて、チーム協力の重要性、人間の注意特性について身を持って学ぶことができました。人はミスを犯すものであり、ヒューマンエラーを理解したうえでインシデントに繋がらないシステムや環境を調整することが重要です。
学んだ知識を生かし、プロの医療者として「自覚し、自立(律)し、自分で考え行動できる」スタッフ育成と安全文化の醸成に取り組んでいきたいと思います。
研修アンケートより
本研修へは、すでに医療安全に関する役割のある方とともに、これから役割を担う「役割なし」の方も39%参加しています(図1参照)。
満足度については、「満足できた」「やや満足できた」で100%を占めており(図2参照)、初心者にも医療安全の知識のある方にも満足をしていただける内容であると言えます。
受講生の声
・濃厚な研修でした。病棟管理者として取り組んできたことの根拠や更なる知識を学ぶことができて実りある研修でした。
・医療安全に対する印象が変わりました。
患者さんを守る、スタッフを守る、自分を守るために必要な事で、誰もが自分の事として捉えて実践していけるような働きかけをしたいと感じました。
・グループワークなどで、他の施設の体制や意見が聞けて、自施設でも取り入れたいことがみつかりました。
座学だけでなく、グループがあり、楽しく学ぶことができました。
担当:危機管理室
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