「看護の統合」

 私は普段、練馬の訪問看護事業所にいます。以前少し経験して「訪問看護は大変だ」と思っていたので再び取り組むことは考えていませんでした。しかしながら、現在訪問看護をしています。それは、訪問看護が私の看護を統合するものだからです。
 私は、国立大学の附属病院の混合内科で看護師のキャリアをスタートしました。当時は三交代、4週6休で常に時差ボケのような状態で、仕事の中に生活がある閉鎖的な環境に身を置いていました。社会人になって社会に出た感じがしませんでした。他にも理由があり1年で退職しました。漢方診療所勤務を経て、これでは看護師らしいことが身につかないと、健診会社、個人病院、夜間診療所、健保組合の病院等でリハビリ(!?)をしました。他にもヘルスケア企業の看護師として相談業務を経験しました。その後、予防的看護や集団を対象にした看護を学びたく、大学に編入して保健師資格を取りました。さらに、転職経験から職務環境への関心が高まり、修士課程で再就業看護師の研究をしました。修士課程修了後、保健所の臨時職員や臨地実習指導教員をしているときに大学教員の話をいただきました。看護には領域があります。大学によって違いはありますが、発達段階や病期で、高齢者看護、急性期看護等に分けられます。私は、特定の発達段階や病期に縛られたくないとの思いがあり、基礎看護に身を置きました。約30年振りに対象論、アセスメント、基礎看護技術に取り組むうちに、もう一度看護をしたいと思いました。
 訪問看護の対象は、療育のお子さんから終末期の方、退院直後の急性期の方から回復期・慢性期の方、そして一般病院ではお会いすることが少ない障害や難病の方です。あらゆる発達段階、健康状態の方に看護を提供できる環境です。これまでの経験と新たな学び、そして私という人間、これらを統合して看護に取り組む難しさと楽しさを日々味わっています。

千駄木訪問看護ステーション城北事業所

鈴木惠子