心理的応急処置をコミュニケーションに活かしてみましょう!

 新型コロナウイルス感染症が1年以上蔓延し、地道に新しい生活様式を模索する日々が続いています。新しい生活様式で変化を強いられた一つは「コミュニケーション」ではないでしょうか。私はお酒が飲めない体質ですが飲み会は大好きですし(笑)、職業柄色々な方とお話してアイディアを得ることが多く、会話することは不可欠です。しかしここ1年は、業務以外で話す機会は激減しました。時には一人で深く考えるのもいいですが、一方で考えていることが「これでいいのか」「こんなことを考えるのは良くないのでは…」と思ったりすること、ありませんか?考えがまとまらない時やモヤモヤしている時には、やはり自分以外の人の力を頼る、コミュニケーションを図るのもひとつです。こんな時こそ、あまり遠慮せずに友人などに連絡してみるのもいいと思います。

 さて、連絡を受けた側の人は、話を聞く時にどのようなことを心がけたらよいでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響で閉塞感を感じる現在のような状況の時は特に、心理的応急処置(Psychological First Aid:PFA)が参考になります。心理的応急処置は、苦しんでいる人や支援が必要な人への人道的な支援方法を示した行動指針です。「見る」「聞く」「つなぐ」の3つが行動原則で、お話ししている相手が安全な状況かどうかを確認し、先入観などにとらわれず耳を傾けて話を聞き、自分が知っている根拠のある情報を伝えたり専門家につないだりする、を実践します。実は、現在の状況とは関係なく、どの方もこの行動を日常的に、無意識に実践しています。この行動を意識的に実践することで相手のこころの支えにつながるだけでなく、聞き上手、伝え上手といったコミュニケーション上手になりますし、何より情報の取捨選択を日頃から考えることにもつながると思います。

東京では何度目かの緊急事態宣言が解除されましたが、感染者数が激減しているわけではありませんし、引き続き感染対策を意識して生活することには変わりません。コミュニケーションも工夫して、心を穏やかに保ちたいですね。

事業部 鴨田

引用文献

World Health Organization, War Trauma Foundation, and World Vision International. (2011). Psychological first aid: Guide for field workers. WHO: Geneva. (訳:国立精神・神経医療研究センター, ケア・宮城, 公益財団法人ブラン・ジャパン. (2012). 心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)フィールドガイド)