日本一の大綱引きと映画「大綱引きの恋」

私の故郷では、秋分の日の前日に、日本一と言われる大綱引きがあります。年々過疎化が進む故郷にあって、この日ばかりは大勢の人が集まり賑やかな日となります。今回はこの大綱引きについて、ちょっとご紹介いたします。

川内大綱引は、400年以上の歴史があり県の無形民俗文化財に指定され、一説に戦国時代、関が原の戦いの際、島津義弘公が兵士の士気を高めるために始めたと言われています。この大綱引きで使われる綱は長さ365m、重さは7tあり、開催当日の朝から子どもから大人まで約1,500人の市民が半日かけて作ります。地元の農家さんから提供される藁で縄を365本作り、約120本ずつ束ねて綱にし、更に3本の網を1本の大綱に練り上げていきますが、その様子は、まるで一種のパフォーマンスのようです。

大綱引は夜に行われ、神事の後、約3,000人の男たちが、上方と下方にわかれて大綱を引き合うのですが、独特のルールがあります。それぞれ4つの部隊があり、①太鼓隊(攻撃を指揮する役目)②引き隊(後方で綱を引く役目)③押し隊(前衛で相手陣内に押し込み、相手の引き隊の体勢を崩す役目)④ワサ係・ワサ払い(綱が引かれて形勢不利となった際、それ以上引かれないように綱の最後尾の輪を留め木にかける役目。また、周囲の人の安全確保のため人払いもする)が連携し、押したり引いたりして自陣を守りつつ敵陣を邪魔するという攻防戦を2時間近く繰り広げます。勝敗は時間がくると審判が綱を鋸で切り、その中心がどちらの陣地にあるかで決まり、その切れ端を持ち帰ると1年間無病息災と言われています。今まさに、私たちが欲しいものかもしれません。勝負の最後は両陣営の大将が汗まみれで握手とハグで、お互いを称え労いあうのですが、その姿には、なんだか感動を覚えます。

この大綱引きの過程には、小さなことの積み重ねが大きなものとなり、それぞれ異なる役割を果たして一つの大事を成し遂げるという、仕事にも通じるものを感じ、見るたびに感慨深い思いです。

今年は残念ながら新型コロナ感染症拡大防止のため中止となりましたが、奇しくもその年に、映画「大綱引きの恋」が公開されます。大綱引きに青春をかける鳶職の跡取りと、診療所に勤務する韓国人女性研修医との切ない恋と、その二人を取り巻く家族模様が描かれています。3月に急逝された佐々部清監督の最後の作品となり、主演は三浦友和さんと百恵さんの次男、三浦貴大さんです。

お時間のある時に、大綱引きの様子や映画の紹介サイトなどをご覧いただければ嬉しいです。

 

122本の縄をよっています
できあがった大綱を会場に運んでいます
押し隊が競っているところ

 

大綱を作る様子 https://youtu.be/tt5vqupwMrg

川内大綱引ダイジェスト(418回) https://youtu.be/XK-icdpPhhc

映画「大綱引きの恋」予告編 https://youtu.be/UYt97EVWXf4  https://ohzuna-movie.jp/

事業部事業係 伊勢谷