第57回 2017年12月25日『千駄木訪問看護ステーションで一番長い利用者さんへ』

先日、NHKの世界の歴史ドキュメンタリー番組である「映像の世紀」を観ました。

このような番組を観た翌週には、その話題を共感できる利用者さんが、私にはおりました。全身性の障害を持つ60代のTさんでした。Tさんは乳児の時からの障害でありながら知的障害は全くなく、一時期は国内外を問わず車椅子で旅行を頻繁に行っていました。読書家でもあり、日本や世界の歴史や政治に詳しく、私にとっての社会科の先生のような存在でした。
毎週、Tさんの入浴介助をしながら、初めは世間話だったのですが、最近では世界の平和を願うような大きな話題にと膨らんでおりました。かれこれ、20年来の関わりになります。

しかし、Tさんは残念ながら、今年の10月に突然旅立って行かれました。

この番組の中で、世界で初めて月面着陸を成し遂げたアメリカ人のニール・アームストロング船長が語っていた言葉が忘れられません。
当時はアメリカ合衆国とソビエト連邦が宇宙開発で激しく、しのぎを削っていた状況でした。そのような状況の中で、当時のアメリカの最高権力者であるニクソン大統領に対しての言葉でした。
「私たちが代表しているのはアメリカだけではない。平和を望む人々、探究心と好奇心を持って神楽坂からこんにちは_12月25日.png
未来を目指す人々、彼らを代表してここに立てていることを誇りに思います。」と言ったのです。
大変勇気のある言葉でした。

 

おそらくTさんにこの話をしたら、Tさんは間違いなく共感してくれたに違いありません。

 

千駄木訪問看護ステーション  根本

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